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念願のイタリアの旅/ミラノ編

昨年、仕事で初めて訪れたミラノ
リニアペレの展示会が主目的で、観光はほとんどできなかった。
そのとき心に芽生えたのは「次は観光で、この国をしっかり見たい、体験したい」という想いだった。

そして今年、ようやくその願いを叶える機会がやってきた。
観光以外にもどうしても行きたかったプエブロやミネルバボックスを作っているタンナー、バダラッシーカルロ社。
HIS-FACTORYの根幹を支える素材を生み出す工房を、自分の目で見てみたかった。

小学生のころ帝国書院の地図帳を眺めながら憧れた、コロッセオ、ピサの斜塔、バチカン市国、フィレンツェの大聖堂。
それがいま、目の前で本物として現れる。
まさか自分の人生で、実際に見る日が来るなんて――そう思うと胸が熱くなった。
そして時代はスーパーカーブーム。
当時ランボルギーニ・カウンタック、フェラーリ・BB、ミウラ、ディノなど、車のデザインも魅了されていた。
30代のバイクはベスパ、50代の車はフィアット・パンダ3、気づけばイタリアのデザインや文化に惹かれ続けてきた。

美術に対しても、どこか閉ざしてしまっていた自分がいた。
それが昨年を境に「やっぱり好きなんだ」と気づき、猛勉強を重ねた。
色鉛筆で塗り絵をするのが好きだった。
そして今も、デザイン画に色を塗っているときが一番楽しいと感じる。
その頃からの感覚が、革の色合いや絵画の色彩に惹かれる今の自分につながっているのかもしれない。
その先に待っていたのが、この旅だった。

そして、もうひとつ大切な背景がある。
人生の節目を迎えたこの年に、長年続けられてきた仕事、支えてくれる存在がいてくれたこと。
還暦のお祝いも兼ねて、この旅は実現した。
振り返れば、パートナーをはじめ、多くの人に支えられてきたからこそ歩んでこられた道のり。
この旅もまた、その延長線上にある「巡り合わせ」だと思う。

そんな数々の想いを胸に約2週間・6都市を巡るイタリアの旅が始まった。
ここからは、その道中で感じたことを少しずつ綴っていきたいです。

目次

1.ミラノ – 出発と到着の街
 ・ドゥオーモ、街歩き

2.シチリア(タオルミーナ、サヴォカ) – 南イタリアの温度
 ・タオルミーナ、グランブルーの海
 ・ゴッドファーザーのロケ地、サヴォカ村
 ・地元の人との触れ合い ・南の光と色彩

3.ナポリ・アマルフィ – 陽気さと美しい海岸線
 ・ナポリの下町とアマルフィ海岸の対比

4.ローマ – 永遠の都で圧倒される
 ・ヴァチカン美術館、コロッセオ
 ・街のスケール感と文化財

5.フィレンツェ&ピサ – 革と歴史の源流
 ・大聖堂クーポラ、ジョットの鐘楼の搭乗〜街歩き
 ・バダラッシーカルロ社訪問(革工場見学の詳細)
 ・革職人としての視点で感じたこと
・ピサの斜塔と街歩き

6.ヴェネツィア&ブラーノ島 – 水の都と色彩の楽園
 ・運河の街並み、移動の体験
 ・ブラーノ島のカラフルな家並み
 ・ものづくりの色彩感覚との共鳴

7.再びミラノ – 旅の締めくくり
 ・再会の街としての感想
 ・旅を通して得た学び

と言った感じに考えていて、今回は第1回になります。

少しずつになりますが、お付き合いのほど宜しくお願いいたします。

ミラノ – 出発と到着の街

空港からホテルへ

羽田発15時間のフライトを終えて降り立ったのはミラノ・マルペンサ空港。
ミラノだぁーと感動しているのは束の間、1年半前に来たときはお迎えが来てくれていたのですぐにワゴンに乗っていたので楽ちん。
しかし、今回は独りである。
まずは空港近くに予約してあるホテルへ荷物を置きに。
ところが、ホテル行きのシャトルバスの乗り方が分からず30〜40分ほどうろうろ…。

ターミナル2近く5番出口を出たら乗り場があるというが、手前がタクシーその先の歩道見たいのには一般の車しか見当たらない。ミラノ中央駅行きはターミナル1の端の方に何台かいるが・・・

ターミナル2近く5番出口を出たら乗り場があるというが、表記が何にもない!手前がタクシーその先の歩道見たいのには一般の車しか見当たらない。ミラノ中央駅行きはターミナル1の端の方に何台かいるが・・・

誰かに聞いても伝わらなく、結局タクシーに乗り込むことに。(とほほな出来事も、今となってはいい思い出。)

ミラノの街へ

チェックインもスったもんだありましたが、何とか部屋に入れて、荷物を置いて気持ちを切り替え、ホテルから再度マルペンサ空港へ。

ホテルからのシャトルバスの時刻表をGoogleの翻訳で見てみると、30分ごとに出ているのか・・・。

下にターミナル1の出口5付近、ターミナル2の出口7付近と書いてあった。なるほど30分ごとにぐるぐる回っているんだ。分かっていれば辛抱して待っていればよかったんだ。

下にターミナル1の出口5付近、ターミナル2の出口7付近と書いてあった。なるほど30分ごとにぐるぐる回っているんだ。分かっていれば辛抱して待っていればよかったのか・・・。

フロントの人に「早く早くバス来てるよ!」とイタリア語で言われているようだ、外に出てみるとシャトルバスが待っていた。

マルペンサ空港からカルドナ駅へ、ミラノ中心部へ。
なぜミラノセントラルではなくカルドナかというと、友人のYayoiちゃんにドーモ行くなら行きやすいよって教えてもらったからだ。

当時の紙チケットを購入したが、改札口がなく、スッと乗れることができた。途中車掌さんがチェックしに来た。

YouTubeで学習した、券売機で紙チケットを購入したが、あれ?改札口がない。そのまま流れに乗って乗車はできた。途中車掌さんがチェックしにきてホッとした。

カドルナ到着、マルペンサ空港から約40分、駅も4個くらいしか停まらなかった。

カドルナ到着、マルペンサ空港から約40分、駅も4個くらいしか停まらなかった。出る時の改札は誰もいない・・・・

Googleマップを頼りにドゥオーモ方面へ歩いていくと、スフォルツェスコ城の広場に出た。
観光客も多く、ランナーや散歩する人たちもいて、広場全体がのんびりとした空気。
リラックスできそうなので腹ごしらえにとりあえずモレッティーのビールとサラミが入ったサンドイッチでランチ。

すぐ隣はスフォルツェスコ城、眺めながらリラックスできました。もちろんサンドイッチも美味しい!

シンプルだけど旅の最初の食事は格別だった!

 さらに街に入った瞬間、石畳と建物のスケール感に胸が高鳴る。

振り返るとスフォルツェスコ城、この通りはレストランもショップもたくさん、とても賑わっていました。

さらに進むとドォーモが見えてきました。

圧倒的なゴシック建築が、街の中から突き出すようにそびえ立ち、その存在感に思わず興奮してしまいました。

また来れるなんて、嬉しくて自撮りしてしまいました。映えない写真ですみません。

また来れるなんて、嬉しくて自撮りしてしまいました。映えない写真ですみません。

予約した日本語ガイド付き(端末)ツアーのQRコードを受付で見せて、いよいよドォーモの中へ。

GET YOU GUIDEにて予約してあったので、スムーズに進み10分ほどで入れた。

GET YOU GUIDEにて予約してあったので、スムーズに進み10分ほどで入れた

天井は異常に高く、尖ったアーチになっている。
壁には彫刻とステンドガラスが交互に並んでいた。

1番奥は祭壇と思われるところ。
キリスト教に素人な私でも神聖なところだと感じます。

さて、いよいよ屋上へ。
途中まではエレベータを使い、途中から階段を上がっていきます。

ゴシック建築の特徴で斜めに建物を支えているのが”フライングバットレス”と言って、外壁を補強している柱。これで、ツンツンした建物ができている。

ゴシック建築の特徴で斜めに建物を支えているのが”フライングバットレス”と言って、外壁を補強している柱。これで、ツンツンした建物ができている。

階段を登るたびに、石造りの尖塔や彫刻が間近に迫り、まるで生き物のように街を見守っている。
手で触れられるほどの距離で見る細やかな装飾に、職人としての血が騒ぐ。

いよいよ屋上へ。

このツンツンした先っぽには聖人が街を見下ろしている。

眼下にはミラノの街並みが広がっていた。
15時間のフライト、空港でのとほほな出来事を経て、ようやくこの場所に立っている。
「旅が本当に始まった」その実感とともに、胸が熱くなる。

ミラノの街歩き

ドゥオーモを後にし、ガレリアや街中を歩く。
石畳の上を行き交う人々、ショーウィンドウに並ぶブランド、路地裏に広がるレストランや教会。
どこを切り取っても「ミラノらしさ」が溢れていて、歩いているだけで楽しい。

すみません、またつい自撮りしたくなってしまいました。

すみません、またつい自撮りしたくなってしまいました。

 

ミラノの一日目は、迷い、登り、歩き、そして感動の連続だった。
言うなれば「ミラノ独り旅」。
60歳にして、初めて海外でひとり行動できた――そんな小さな達成感が心に残った。
旅はまだ始まったばかり。

夕方には再びマルペンサ空港へ戻り、ホテルのシャトルバス乗り場へ。
「いたいた、あれだ!」――タイミングよくバスが到着。
ようやくコツをつかみ、「次からはもう大丈夫だ」と少し誇らしい気分。
空港の売店でワインとビール、おつまみを買ってあったのでホテルでひと段落。

そして22時。別便でパートナーが空港に無事到着。
旅慣れた彼女に、得意げにシャトルバスの乗り方を教えていた(笑)。

明日の目的地は、南イタリアのシチリアへ――続く。

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