リネアペッレー国際皮革製品見本市
リネアペレとは、イタリア・ミラノで年に2回開催される、世界最大級の皮革見本市です。
世界40ヶ国以上約1000社前後が出展、各国から製作者からデザイナー、バイヤーなど2万人以上の皮革関係者が来場します。
私もその中に参加できるなんて夢のようです。
2/20~22の3日間開催され、3日間とも視察に行ってまいりました。
また、イタリア植物タンニン鞣しのプエブロやミネルバボックス、ナッパなどを制作しているバダラッシー・カルロ社や
ブッテーロ、マレンマのワルピエ社、ゴーストのコンツェリア・ラ・ブルターニャ社、ブスケットのプッチーニ社のタンナーさんにお会いできるが楽しみです。
また新しい素材、人、食、文化との出会いも楽しみです。
イタリア貿易促進部のブース
私たちイタリア貿易促進部のメンバーは特設ブースがあり、まずはイタリア代表の方からご挨拶。
ドリンクはコーヒーからジュース、ワイン、スパークリング、ランチまで提供してくれるなんて素敵すぎる。
さて、まずはコーヒーを飲みながら、ブースのチェック。
かなり広く、ブースの数もハンパないので、ある程度チェックが必要だ。
BADALASSI CARLO
まず、向かったのはバダラッシー カルロ社。
バダラッシーカルロ社はイタリア・トスカーナ州で牛脂を含む古典的な製法”バケッタ製法”をメインに上質な革を作り続けているタンナーです。
HIS-FACTORYはミネルバボックス、ナッパ、プエブロをメインに革小物、鞄を制作し市場に提供させていただいています。
革小物だと、二つ折り財布coprireやキーケース財布quattro,三つ折り財布tino,マネークリップFermareなどのプエブロ、バッグだとバナナショルダー、ミニボストンなどミネルバボックスやナッパを使っています。
使い込むほど色艶が上がる経年変化が楽しめ、また愛着が湧き長期使用できる革素材です。
シモーネさんと15年ぶりの再会
バダラッシーカルロ社のオーナー、シモーネさんと約15年ぶりの再会が果たせました、感激です!
当時HIS-FACTORYは他社製品ブランドの下請けを脱却すると決意したばかりの頃でしたけど、革問屋含め駆け出しの弱小ブランドでも紳士に向き合ってくれたことは、今でも忘れません。
当時の記念撮影です。↓
自社のブランド製品はまだ数えるほどしか作ることができなかったのですが、トートバッグammassare(ミネルバボックス/オルテンシア&ブッテーロ/ブルー)の第一号を持っていったところ、関心を持ってくれたのも嬉しかったです。
オイルを多く含んでいるので乾燥もしなく、また色も素敵。まさに育つ革です。
WALPIER
ワルピエ社はバダラッシカルロ社と同じように、イタリア・トスカーナ州で植物性タンニン鞣しで革を鞣すタンナーです。
HIS-FACTORYはブッテーロ・マレンマ・たまにエトルスコを使っています。
ブッテーロは色鮮やかながら透明感のある素晴らしい染色技術です。
また堅牢な仕上がりなので、主にトートバッグなどに、長期仕様に耐えられるよう持ち手・根革・ハカマなどに使用しています。
ミケーレさんにも15年ぶりに再会を果たせました。
こんな日が来るなんて、とても嬉しかったです。
またこの時、Yちゃん(デンマーク在住の日本人)にも6〜7年ぶりなのかな、ここリネアペレで再開できました。
一緒に同行してくれて通訳もしてくれました。
ミケーレは「ナカーノは腱鞘炎大丈夫か?!」などジョークを言ってたみたいで笑いが絶えませんでした。
今でも「同じことずーとやってるよっ」って伝えてもらいました、それはトートバッグammasareのブッテーロの持ち手制作を手作業で面取り、コバ磨きしてることです。
当時毎年革の代理店来られていて、3回ほど対談させていただくメンバーに入れていただきました。
お酒飲んでるわけではなんだけど、なんか盛り上がってました。
約15年前にこのイタリア・トスカーナ植物タンニン鞣し革に出会い、サンプル帳を見て一目惚れから、最初は高くて1枚しか買えない日々が続いていました。
でも本当にいい革は絶対、コレだと信じて来ました。
分ってもらえても、もらえなくても、何万人の人に言い続けてきました。
当時は下請け脱却のことばかり考えていましたが、だんだんこの革の扱いが分ってきて、どんな物を作ろうかと制作意欲も湧いてきました。
またイタリア植物タンニン鞣しの革の歴史やヨーロッパの歴史から現代の移り変わり、タンニン協会の取り組み方の想いにも感銘を受けお客さんに伝え続けています。
シモーネさん、ミケーレさんに再会できる日が来るなんて、嬉しかった。続けてきて本当によかったです。
Yちゃんと記念撮影
メンバーHさん、私、Yちゃんと記念撮影。
次の打ち合わせがあるとのことで、ここでお別れ。
1時間位だったけど、めちゃめちゃ濃い時間でした。
Yちゃん付き合ってくれて、通訳してくれてとっても助かりました、今度はフィレンツェのガイドもしますよーなんて言ってくれてありがとう、その時はよろしくね!。
Yちゃんは昔から変わんなくストレートでお節介でほんといいやつです。
Yちゃんに連れてってくれたブースではこんなおもてなしも!
日本人の私たちにも食べてけって、勧めてくれました。
トマト、チーズ、オリーブオイル、アンチョビ〜、フレッシュでとても美味しかったです、ご馳走様でした!
la Bretagna
2日目にブレターニャさんに伺いました。
トスカーナ州のサンタクローチェで植物タンニン鞣しの革を作り続けています。
原皮をフランスのブルターニュ地方から仕入れていて、フランスの国旗をイメージしたトリコロールのカラーリングが採用されています。
HIS-FACTORYはゴーストという革を仕入れさせていただいています。
アイテムは主に小物ですが、そろそろバッグにも手がけたいです。
仕入れ先は富田興業さん
台東区今戸の革問屋、富田興業さんから仕入れさせていただいています。
今回リネアペレに行くことを伝えたら、現地の駐在員の方にアテンドしていただけるというありがたい待遇をさせていただきました。
華麗な色の選択肢から新しく開発されたベジタンの革のお話を聞かせていただきありがとうございます。
イタリアのカタログ帳は見てるだけで幸せになるくらい、美しい色が揃っています。
パオロさんとイタリア在中スタッフさんとHさんと同グルーブのEさんと記念撮影。
Puccini
プッチーニさんもイタリア・トスカーナ州で植物性タンニン鞣しで革を鞣すタンナーです。
ブスケットという革を使って、二つ折り財布coprire、キーケース&財布quattroをリリースしています。
仕入れ先さんはゴースト同様、富田興業さんです。
ブスケットはプエブロやゴーストのようにエイジングが際立っていくのではなく、透明感のあるスムースレザーで上品な味わいがあります。
すぐにスパークリングワイン
自己紹介させていただきお話ししているとすぐに、奥のテーブルへ案内されて、すぐにスパークリングワインを出していただきました。
日本でいったら、とりあえずビールって感じでしょうか?昼間からやんないか。
いろいろお話しさせていただいていると、昨年のトスカーナ産イタリア植物タンニンなめし革協会イベント(イタリア文化会館)で登壇されていたと云う「え、私も行きましたよ!」
イタリア・トスカーナ産のタンニン鞣し革は古来から続く伝統的な技術で、95%が植物由来で革を作っているのに対し、ビーガンレザーは75%石油由来で革が作られているという事実を解りやすく教えてくれました。
この件は、後ほどブログに書きたかったもの。先延ばしになったままでしたが、近いうちに書きたいと思っています。
プッチーニの社長さんと記念撮影。
めちゃイケメン!
日本に来た時は、立ち寄ってくれると言ってくれて、お別れしました。
ブスケットのアイテムも増やしたいと思いました。
富田興業さんのはからいで、現地日本人のKさん、お弟子さんのTさんにアテンドしていただいて、とても距離が縮まり有り難かったです。
本当にありがとうございました。
革以外も
3日目には金具や異素材、ツール、エンボス加工屋さんなど革以外のブースも見てまわりました。
正直周りきれないですが、世界40ヶ国以上約1000社前後が出展、各国から製作者からデザイナー、バイヤーなど2万人以上の皮革関係者が来ている凄さが、とてもよく解りました。みなさん自分の仕事を楽しんでいるように感じました。
その中でもわずか19社しか加盟していないイタリア・トスカーナ、ベジタブルタンニン鞣し協会が伝統をつなぎ、誇りの高さを保っていることにさらに共感した機会になりました。
HIS-FACTORYとしても、この革の素晴らしさを我が日本でも、もっと広めていきたいと思います。