HIS-FACTORY職人・代表の中野です。この記事では、私がプエブロレザーと出会った時のこと、HIS-FACTORYが扱うプエブロ定番の6色についてご紹介します。
イタリア植物タンニンなめしの革をこよなく愛して約15年。その中でも、プエブロを実際に使ってみての経年変化は、これが革らしい革だと今も変わらず魅了され続けています。
プエブロレザーとの出会い
2006年前後、私は得意先ブランドの下請け生産をしていました。
生産といっても生産管理で裁断加工、革漉き加工、革・金具・ファスナー・裏地・芯材など材料仕入れから縫製前のセットアップをして職人さんに投入し、上がってきた鞄を検品、箱入れして問屋に納品するという業務です。
そのころのクライアントのデザイナーから与えられる革は、業界の中でも高くもなく安くもなく特色もあまり感じられない万人受けするような革が主流。下請けの私はその革に感情も湧かないという時期もあり、与えられた革を裁断、加工所、革漉き所、職人さんを飛び回っていました。コストダウンは当たり前なので、短期間で多くの数ができるか、効率のよいことばかり考えていた時期です。
そんな中、ご紹介で個性的なデザインを仕掛けてくるクライアントと知り合い、そのデザイナーが「これで作ってくれ」と渡されたのが。イタリア植物タンニンなめしのブッテーロやミネルバボックスでした。
プエブロの素晴らしさに感嘆
あきらかに、一般的な鞄問屋が使う革とは別物でした。
コバを磨いてみると素早く美しく仕上がり、また裁断時には革切り包丁で手裁断するとスーッと音が聞こえてくるように気持ち良い感覚で、ゴム板には細かい切りカスが残らない。
というのも、イタリアバケッタ製法と言われている秘伝のオイルが多く含まれているからなのです。
下請けで安い革ばかり見ていた私にとっては、イタリアの革がなぜそんなに高くていいのか、恥ずかしながら知りませんでした。作ってみて、初めて解ったのです。
その出会いから、ブッテーロはじめミネルバボックス、プエブロをこよなく愛してやまなくなりました。
この革を使って、オリジナル商品を作りたくなり、工房から直接お客様にお届けしたいと思うようになったのです。
プエブロの経年変化
この動画では、工房ショップに置いている新品、サンプル品を例にプエブロレザー定番6色の経年変化について説明しています。
プエブロの経年変化はとても魅力的で、色艶の変化は手にしたその日から、時間が経過すればするほど楽しむことが出来ます。その魅力を実物をもって説明していますので、ぜひ一度ご覧ください。
プエブロとは
改めて、プエブロレザーについて紹介します。
牛脂を使用したイタリアバケッタ製法で作られた、プエブロは吟面を手作業で擦り、細かな模様を付けているのがプエブロの特徴です。細かな模様は、プエブロインディアンの群衆を表しているとされ、その名称もプエブロインディアンから名付けられています。
二つとない独特な表情があり、通常の吟擦りでは味わえない経年変化によって、革は自分だけの色へと育っていきます。
タンナー:イタリア・バダラッシー・カルロ社
プエブロのナポリの経年変化はこちら
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