2023秋浅草エーラウンド無事終えることができました。
浅草エーラウンドとは
奥浅草と云われる、今戸から橋場界隈は約150年前から続く革靴の生産地であり、革関係のものづくりに関わる職人さんや工房が多く混在します。
また大門通り、土手通り、吉原などのディープな地域も近く、その界隈の飲食店さんから、新しく地域を活性化しようと活動をしている人も増え、楽しみながら奥浅草、浅草界隈を知ってほしいとの思いで立ち上がったイベントです。
普段は非公開の革靴づくりの現場などを巡り、モノづくりのDNAが息づく街の魅力を伝えます。
HIS-FACTORYは開催初期の10年前から、ものづくりの好きな方向けにワークショップで、毎年微力ながら参加させていただいています。
今年の浅草エーラウンドのサブタイトルは”TOKYO DEEP CULTURE”
1日で作る手縫いのサコッシュのワークショップ
HIS-FACTORYは今年は”手縫いで作るイタリアンレザーのサコッシュ”のワークショップを開催で参加させていただきました。
金曜日初日
金曜日の初日はお一人のご参加。
朝一、ご挨拶した時「あれ?初めてではないですよね・・・」
そう!何度かご来店いただき革小物をご購入していただいたアクティブな女性でした。

ゴーストのチョコ。菱目打ちをあけて、片側のマチをつけたところ。

そして、菱目打ちの穴にそって、菱切りでひと穴ひと穴貫通させていきます。ゆっくりと慎重に。

いよいよ手縫いです。

完成です。ゴーストのチョコをセレクトして本当に良かったと何度も言っていただいて良かったです。
2日目
2日目の土曜日ウイークエンドは”満員御礼”5名でスタートいたしました。
富田興業(株)さんから仕入れた”ゴースト”というイタリアンレザーを4色ご用意しそれぞれセレクトしていただきました。
制作工程は菱目打ちをしているところ。
ゴーストとは
タンナー(※皮を鞣し革にする工場のことをいいます)はイタリアに千以上あるタンナーのうち20数社のみが認定を受ける”イタリア・植物タンニン鞣し協会”も認める、イタリア・コンツェリア・ラ・ブルターニャ社。
植物タンニン鞣し革のをアニリン仕上げで艶を出し、さらにロウ(ブルーム)をたっぷりと塗り込むことで、厚いロウに覆われている。
もともと古くは英国貴族の馬具用に開発されたブライドルレザーにオマージュされ誕生しました。
使い込むとロウ(ブルーム)がだんだん取れてきて、下地の色の姿が見えてくるという、独特の個性的な経年変化がお楽しみいただけます。
また、ロウは取れるだけでなく、下地の革にも染み込み防水にもなります。

富田興業にはゴーストの展示もしてありました。色はターコイズブルー
手縫い
メインの手縫いは長い道のりです。
ひと針ひと針丹念に縫い上げていきます。
コバの面取り

コバは私が豆カンナを使って面取りします。鞄の制作と同じ工程です。
コバ磨き
カンナで面取りしたあとはサンドスティックで滑らかに仕上げます。
そして目止め液をつけ、ガラスで磨き込み、最後に乾拭きし艶出しして仕上げます。

カメラマンが来たのも気がつきず、みなさん自分の子を育てるようにコバ磨きに集中していました。

ゴースト/ベージュ

ゴースト/ワイン
完成

ゴースト/ターコイズブルー

ゴースト/ターコイズブルー:糸色をよく見るとカブセ、身頃左、右とも変えています。ワークショップならではの逸品です。

ゴースト/ターコイズブルー

ゴースト/ワイン
今年は4〜5年ぶりに富田興業(株)の2Fのショールームで広いスペースで開催させていただきました。
常連さんから初めての方も1日で作る手縫いのサコッシュのワークショップにご参加していただきまして誠にありがとうございました。
10:00から17:00前後までかかり、大変だったと思いますが、途中”楽しい”と云っていただけて作り手冥利に過ぎます。
皆様お疲れ様でした。
また、浅草エーラウンドのイベントスタッフさん、場所を提供してくれた富田興業(株)さん、準備から片付けまでありがとうございます。
また来年も手縫いの鞄作りのワークショップで参加したいと思います。
よろしくお願いいたします、ありがとうございました。