8年の経年変化:迷彩柄レザー&プエブロ/ナポリ
先日久しぶりにフルオーダーでお作りしたトートバッグとご対面。
8年の月日で活躍したこの特注トートバッグ、カッコいいです!
こだわりの強く、マニアックなN氏は、迷彩柄(イタリア製)を富田興業さんから仕入れ、相談にやってきました。
ゾッキではなくて、コンビネーションのがカッコいいんじゃないか、強度も含め提案しました。
ゾッキとは
”ゾッキ”とは一つの素材のみで仕上げることを意味する言葉で鞄業界では、よく使われる変な言葉なんです。
今回の本体が迷彩柄で持ち手やハカマ、ショルダー裏などが別素材(プエブロ/ナポリ)や本体がハンプで持ち手、ヘリなどに革を使った場合コンビと言います。
そのコンビとは逆で”ゾッキ ”であれば同一素材の製品という意味です。
今回はコンビ(コンビネーション)です。

本体:迷彩柄 持ち手、ハカマ、底、持ち手裏プエブロ/ナポリ
2015年の制作工程
フルオーダーはまずヒアリングしデザインスケッチから。
そして型紙を切ります。
思わぬところで何度も確認、思わぬところで、てこづりました。
ご依頼主N氏のこだわりがあります。

型紙製作は考える時間が長く、めんどくさい時もありますがこの作業が一番やりがいがあります。

他の革の持ち込みはあまり気が進まないけど、この富田興業さんの迷彩柄プリント(made in italy) は、私が今まで見た中でクオリティーが高く、風合いが良かったので気分も上がりました。

各パーツの裁断

内装のちょっとしたデザイン、ブランドネームは切れ端を利用してオリジナル。

厚みが重なりすぎる箇所は手漉きします。漉き機ではできない箇所。

迷彩柄にプエブロ・ナポリを合体、0番糸。

ハカマのプエブロ/ナポリ。右左の高さが違うデザイン。型紙の時、ちょっとしたことですがかなり手こずりました。

持ち手は貼り合わせた後、さらに二つに合わせる。厚すぎるので”アドラー”のマシンでも難しそうなので手縫い。

手縫いならではの造形美

さらに各パーツの縫製が進んでいます。

マチのパーツは波のイメージ。N氏はサーファー、デザインのカットも提案したら共感してくれ採用してくれました。

幅広い持ち手を身頃に0番で縫製。こういう無駄なデザイン好きです。

最後のまとめ縫製もアドラーでの0番ステッチ。

最後のまとめ縫製もアドラーでの0番ステッチその2
完成
数ヶ月、いえ一年過ぎたかもしれません、だいぶお待たせしました、お待たせし過ぎたかもしれませんが、完成いたしました。

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そして2023年8年後の経年変化

突然の再会に感動

底のプエブロのナポリは約8年の使用に耐えています。

マチのデザインもかっこいい
こだわりの強いN氏はプエブロのタバコ、ナポリとミニトートバッグのワークショップにも参加し、イタリア植物タンニンなめしの革の魅力にハマり、今ではゴーストにもハマっている。。。。