今年2月に完成したフルオーダーのトートバッグの制作〜完成の様子です。
ヒアリングからスケッチ画
お気に入りのサイズ感のトートバッグがそろそろ痛んできたのできたので、新調しようとしたところそのブランドが分からず、同サイズで作って欲しいとのご依頼。
ポケットの追加から床に置かないので底鋲は無しなど、ご自身のスタイルが分かっていらっっしゃる。
(※後にペットボトル入れは中止、マチが折り込むデザインのため)
このヒアリングからスケッチを描かせてもらっている時、僕はいつも胸が高まっています。
裁断
型紙ができたら、どう裁断していくか型紙を置いて考える。
下の長い型紙は、通しマチ。
量産品は大体マチ、底と継ぎ足す。そうした方が取り都合がいいから。
逸品ものはそんなケチケチしたことはしない。
傷もあまり関係なく入れます。※掘れていたり肉落ちと言って裏が凹んでいる箇所は弾く。
まとめ縫製前
底鋲は無し
床には置かない。電車に乗っている時気持ちいいとのご希望。
継ぎ接ぎがなくて気持ちいい。
裏地の色は
ウオルナッツというブラウン系
完成
素材
本体/プエブロ・サビア(イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)
内装/コットン
金具/真鍮
ファスナー/YKKエクセラ
サイズ:H26cm×W36cm×D11cm、ハンドル立ち上がり22cm、ショルダーストラップ無し。
重量:約1100g
プエブロ(イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)
牛脂を使用したイタリアバケッタ製法で作られた、プエブロは吟面を手作業で擦り、細かな模様を付けています。二つとない独特な表情があり、通常の吟擦りでは味わえない、経年変化がお楽しみいただけます。自分だけの色へと育っていきます。
長期に耐えられるような素材ですので、力が掛かる箇所は漉かずに縫製、全体的にも革漉きは厚め、永く愛用していただけるように縫製しています。
今回のトートバッグの特徴は、ハードな作りでも女性を意識し、堅牢のブッテーロは使わず、オールプエブロで制作しました。
持ち手の根革は厚みが足りないので2枚張り合わせ、強度は変わらないようにし、丸手は綿芯を入れて仕上げました。
使い慣れたバッグを再現させていただけたこと、作り手冥利につきます。ありがとうございました。