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念願のイタリアの旅/バダラッシーカルロ社訪問〜ピサ編

フィレンツェ3日目

フィレンツェ滞在3日目の今日は、念願のバダラッシ・カルロ社訪問。
出発は午後だったので、午前中は街散歩、yayoiちゃんに教えてもらった小さな市場とカフェへ。
フィレンツェではライムではなくridemoviで、石畳の街をガタガタと走りながら、街の香りや人の声がすぐそばに感じられる。
メリーゴーランドのある広場を通り抜けて・・・

サンタンブロージョ市場前のマーケット

シチリアのカターニア空港でのハプニングでは、大変お世話になったyayoiちゃんに教えてもらった市場は、観光地とは違って、地元の人が集まるサンタンブロージョ市場前の小さなマーケット。
服や古着、野菜に生活雑貨まで、ちょっとしたフリマのような雰囲気。
派手さはないけれど、そのゆるさがなんとも心地よくて、地元の朝をのぞかせてもらうような時間でした。

マーケットと市場をひとまわりした後は、ここも教えてもらったカフェ。
朝のテラスは地元の人たちでいっぱいで、にぎやかだけど穏やかな空気。

コーヒーを飲みながら眺める街の風景が、なんとも心地よかったです。

宿に戻る途中、中央市場に寄ると、ちょうど通りに屋台がずらりと並んでいました。
バッグや革小物、洋服などが所狭しと並び、通り全体が活気にあふれていました。

いよいよバダラッシーカルロ社へ

いよいよバダラッシ・カルロ社訪問。
宿泊先まで迎えに来てくださったOさんと合流し、高速に乗ってピサ方面へ向かいます。
青空の下、フィレンツェの街を離れ、次第に広がるトスカーナの風景に心が高鳴ります。

今回の訪問は、仕入れ先であるサライ商事株式会社さんの特別なご配慮により実現しました。
貴重な機会をいただけたことに、心から感謝です。

工場に着くと、まずは現場のミーティングルームのような場所へ。
シモーネさんをはじめ、社長さんや工場長さんなど、皆さんが温かく迎えてくださり、とても嬉しかったです。
ご挨拶した後、「20年くらい前にバダラッシ・カルロ社の革に出会って惚れ込み、今日まで作り続けてきました」と伝えました。
当時作ったミネルバボックス〈オルテンシア〉のバナナショルダーを見せると、皆さん「こんなに変わるんだね!」と驚いた表情を見せていました。

いよいよ工場内へ

いよいよ工場を案内していただきました。
出荷用の革が積まれ、奥には”タイコ”(ドラム)が見えてきました。

奥には大きなドラムがずらりと並び、革をなめす独特の香りと音が響いています。
まさに“革が生まれる場所”

ちょうどドラムから革が出てくるタイミングに立ち会えました。
まだしっとりと湿った状態で、ナチュラルな染料の鮮やかな色、オルテンシアですね。
一枚一枚丁寧にドラムから出し、綺麗に並べられていました。
バケッタ製法の現場そのもの、こうして生まれているのかと思うと感動でした。

こちらは、まだ毛のついた“原皮”の状態。
南ヨーロッパ産の牛の革で、これがあのプエブロやミネルバボックスになると思うと感慨深い。
ここから何十工程と時間と手間をかけて“革”へと育っていく。

この、巨大なバターのような塊は、バケッタ製法で使う特製のオイル。
牛脂をベースに魚油などを加えた独自の秘伝のオイルで、タンナーごとに配合があり、そのレシピは代々受け継がれてきたものだそうです。
このオイルをじっくりと革に染み込ませていくことで、バダラッシーカルロ社のプエブロやミネルバボックスに見られる、あのしっとりとした質感と深みのある艶が生まれます。
化学薬品に頼らず、時間と手間を惜しまない伝統的な製法は、ものづくりへの誇りが、ここからも伝わってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いてドラムの上の階に上がり、手のひらにのせて見せてくれたのは、植物タンニン鞣しに使う粉末のタンニン。
樹木から抽出した天然の成分で、革をしなやかに、そして強くしてくれる大切な材料です。

ドラムの中で革をゆっくり回しながら、このタンニンをじっくりと染み込ませていきます。
これによって、革が「腐らない状態」へと変わり、しなやかさとコシが生まれます。
化学薬品では出せない、自然由来の深い風合い。
これが”イタリア植物タンニン鞣し革”なのです。

こちらのドラムでは染料が入っています。

こちらのドラムでは染料が入っています。

“鞣し”という字は、革に柔らかいという字を当てています。
鞣しとは皮から革になる工程です。
そして、そのあとに——先ほどの秘伝のオイルを加えていくのです。
革に生命を吹き込むような工程。
時間とコストを惜しまず、自然の力を最大限に生かした、まさに職人の仕事でした。

旅立ちを待つ革たち

棚には、プエブロやミネルバボックスなど、色とりどりの革が並んでいました。
どれも表情が違っていて、見ているだけでわくわくする。
ここからまた、世界中へ旅立っていくんだと思うと感慨深いです。

配電盤の上の配線の上には、シモーネさんの絵心で描かれたネズミの絵。

品質は習慣から生まれる

シモーネさんに案内されたのは、古いドラムや製品が飾られたショールームのようなオフィス。
デスクの上には”quality habit”と書かれたカードが置かれ、その時には気づかなかったのですが、このブログで画像整理して調べてみたらquality habit”とは品質は習慣”。
まさにバダラッシ・カルロ社の哲学、深く感銘を受けました。

シモーネさんの革の部位の説明。
上中央がショルダーでこの部位を使っている。

ミネルバボックス(もしくはリスシオ)で包まれた石が飾られていました。
この石は、ナポレオンが島流しにされたエルバ島のものだそうです。
時間をかけて革を育てる——そんなバダラッシ・カルロ社の哲学が、オブジェにも込められているのかもしれません。
難しいことは分からないけれど、ロマンを感じました。

シモーネさんと記念写真

最初にお会いできたのは2012年でした。
シモーネさんが当時作ったトートバッグammassareの初期型を持っていただいて写真撮ってもらえたのは未だに嬉しかったのを覚えています。
サライ商事株式会社さんのオフィスにて。

今回の工房訪問は、仕入れ先である サライ商事株式会社さまの特別なご配慮 によって実現したものです。
このような貴重な機会をいただけたことに、心から感謝しております。

また、当日 サポートしてくださった Oさん にも深く感謝しています。
通訳、案内だけでなく、イタリアでの暮らしのお話まで伺うことができ、とても楽しく、思い出深い時間となりました。

ピサの斜塔

バダラッシーカルロ社を後にして向かったのはピサ。
ガリレオ.ガリレイが重さの速度の実験をしたのが有名。
着いてすぐ目に飛び込んできたのは、真っ白な大聖堂と青い空のコントラスト。
あの有名な“ピサの斜塔”は鐘楼で、以外にも大聖堂(ドーモ)、洗礼堂、カンポサント(ピサの著名人を埋葬する美しい納骨堂)など見どころ満載なのだ、知らなかったー。

ピサの斜塔は高さ55.86メートルの8階建て、直径約20メートル、296段のらせん階段。

お約束の写真撮影

これ、観光客全員と言っていいほどやってました笑

これ、観光客全員と言っていいほどやってました笑

これ、相方さんのアイデア笑。隣の欧米人大笑いでした。

これ、相方さんのアイデア笑。隣の欧米人大笑いでした。

これも相方さんアイデア笑。ちょっと恥ずかしかった。

これも相方さんアイデア笑。ちょっと恥ずかしかった。

そしてもちろん登りました(笑)
斜塔の中に入って上っていくと、途中にこんな展示パネルが。
図面や断面図をみるとだいぶ傾いてるって、でもこの時点では、まだそれほど実感がなかった。
このあと階段を上がるほどに、体感することになるんですが…

上上に行くほどカーブが急になり、幅も狭くなっていき、平衡感覚がおかしくなってきました。
大理石の階段はすり減っていました。

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斜塔の頂上に到着。
外に出ると一気に景色が広がって、風が気持ちいい。
でも、さっきの“傾いた階段”の感覚が体に残っていて、まっすぐ立ってるつもりなのに、やっぱ傾いてるー。

相方さんだいぶ、ビビりモード突入。
手をついて慎重に一歩ずつ進む、実は俺も結構ビビってたけど。

上から見下ろす大聖堂と洗礼堂がとにかく圧巻でした。
ピサは“斜塔だけ”だと思いがちだけど、実はその周りの建造物がすごい。
真っ白な大理石の建物が光に反射して、めちゃくちゃきれい。

そして、帰り道下り階段へ。
えっ、ここから登ってきたのか、足元をのぞき込むとちょっとドキッとします。

ピサ大聖堂

きっと、こちらがピサのメインなんじゃないだろうか。
斜塔だけじゃないピサ大聖堂、白い大理石で美しい。

大聖堂の中に入った瞬間、思わず立ち止まってしまいました。
黄金のモザイク、大きなキリスト像、天井の細かな装飾…。
斜塔ばかりに気を取られていたけれど、どこを見てもただただ圧巻。

ピサの洗礼堂

対面にある洗礼堂。

ピサの墓所

人混みの広場から少し入るだけで、空気が一気に変わりました。

バダラッシーカルロ社の感動を抱えたまま向かったピサ。
芸術も歴史も、そして斜塔のスリルまでたっぷり満喫して、気づけば今日もあっという間に日が暮れました。
明日はついにヴェネツィアへ・・・続く。

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