今年初めのブログ昨年春から夏にかけてお作りしたフルオーダーのトートバッグのご紹介です。
まずはヒアリング
お客様は大きなトートバッグがご希望で、サイズは明確でした。
デザインはHIS-FACTORYのアンマサーレトートバッグを参考にして、サイズはLよりさらに大きく、上下のハカマを取った。
アンマサーレトートはこちら↓
型紙を取って広げてみると、思ったより大きいので、お客さんに連絡したところ再度ご来店いただきました。
革素材はミネルバボックス
ミネルバボックスのオルテンシアのリクエスト。
ミネルバボックスとはイタリア植物タンニン鞣し協会が認める”牛脂”をメインとし秘伝のオイルを使用した”バケッタ製法”で作られています。
ボックスとはイタリア語でボコボコ、凸凹の意味しており、銀面の表情はそれぞれ異なる”シボ”があり、薄化粧仕上げのため傷やトラは隠れにくい反面、素材の味を活かし一枚一枚違う個性のある表情があります。
使い込むほどに色艶が上がってくる表情はイタリアならではのナチュラル感溢れる色合いと経年変化がお楽しみいただけます。
タンナー:イタリア、トスカーナ・バダラッシ・カルロ社
8番手縫製
根革の台のブッテーロ(オレンジ)8番糸で縫製。
裏地(オレンジ)の縫製も8番糸です。
0番糸縫製
ブッテーロのオレンジの台の上のブルーもブッテーロ。
長期使用に耐えられるよう、曲がる箇所に補強テープと銀面革を貼り、ブッテーロ元厚2.8㎜〜3.2㎜をそのまま曲げて0番糸で縫製します。
ブッテーロ3枚、床2枚を貼り合わせた持ち手も0番糸縫製。
袋縫い
根革縫製が終わると、身頃と底のまとめ縫製、裏地のまとめ縫製、そしてひっくり返して。
まとめ縫製
本体の袋と裏地の袋を口元で合わせ、0番糸でまとめ縫製です。
完成
【本体】ミネルバボックス(イタリアの名門タンナーであるバタラッシー・カルロ社による植物タンニン鞣し牛革)
【内装】コットン
【金具】真鍮ファスナー/YKKエクセラ
【サイズ】幅450mm×高さ380mm×奥行(マチ)190mm、持ち手立ち上がり240mm
素敵なお客様
ダンディーなA様は現役サーファー。
海も旅行も共にこのトートバッグを使いたいと大変喜んでいただき誠にありがとうございました。
また根革の縫製も決め手になったとおっしゃていただき、作り手冥利に尽きます。
極太ステッチ0番糸のマシン
マシンはドイツ製のアドラー、針も同じくドイツ製のシュメッツ25番の菱針。
このぶっ太い針と糸で縫製しています。
持ち手の根革は10年、いやそれ以上長期使用できるトートバッグを目指しています。