今年の5月に完成したフルオーダーのカブセ付きの大きな鞄。
本体、持ち手はブッテーロ、今回は手縫いでお作りした”持ち手”のみの制作工程の様子です。
肉盛り
肉盛りとは、持ち手を持った時、手にしっくり来るように芯材を入れて盛り上げています。
今回は一本手、荷重が一箇所にかかるので重厚な作りでないと作り手としても納得がいきません。
肉盛りには”床革”を使用しています。
床革とは
床革とは、皮は元々銀付きと床と一緒になっています。
皮から革へ鞣す段階で銀付き革として、大きな機械で漉きます。
巨大な桂剥きのようなイメージ。
ブッテーロやマレンマは約3㎜、ミラージュは4㎜、制作時にパーツなどによって、革を漉いたときの落とし約2㎜の”床”をあらかじめ取ってあるのでその”床”を肉盛りに使用しています。
アンマサーレのトートの持ち手(ハンドル)にも使用しています。
貼り合わせ〜面取り
合体
表用と、裏用と2つ作ります。
持ち手本体の床革に緩やかなカーブを作ります。
この床革はコバが出るのでブッテーロの床を使用。
コバ磨き
合わせた断面、コバをカンナで面取りしながら整えて、さらにサンドペーパーで慣らし、コバを磨きます。
※夢中になっていたため、コバ磨きの様子を画像に撮り忘れました。
菱切り
菱切りで手縫いの穴を一つ一つあけていきます。
手縫い
完成図
本体と取り付けた時の完成です。
久しぶりに作りましたが、上手くできて嬉しかったです。
手間と時間を惜しまなく使い、楽しみながら作らせていただいています。
本体の巨大鞄本体の制作工程は次のブログでご紹介させていただきます。
手縫い持ち手の鞄 番外編
前に作った手縫いの持ち手の鞄、こんなデザインのもありました。