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墨田が誇る東日本金属の鋳造技術によって完成したパーツ&合切袋(ottone)

新年2019年1月1日元旦10:00に藤巻百貨店の初売りに選んでいただきました、合切袋(Ottone)。

初回限定30個、お蔭様で元旦当日完売いたしました。皆様ありがとうございました。

合切袋を作る動機

2011年以降、多くの墨田のものづくりの方々に出会う機会をいただきました。その中でも、昔ながらの鋳造製法により真鍮金具を作っている東日本金属㈱。

先代を引き継ぐ小林くんは当時も初めて会ったのにも関わらず熱心に快く工場の内部や工程を見せてくれた。彼の仕事への考え方に感銘を受け、自分ももっと行動せねばと奮い立ちました。いつかこの人に作ってもらいたいと思ってからだいたい1年後その機会が訪れた。

浴衣にハマっていた頃、財布とか鍵を入れるバッグを自分で合切袋を作ってみた。ある金具屋さんでプラスチック製の”パーツ”を購入した。なんかしっくりこない・・・。

すぐ小林くんに相談したところ、快く引き受けてくれた。あのパーツが真鍮でできるなんて夢のようだ。

当時は在庫ができなく極少量でしか作る事ができませんでした。発信しても大した反応は無く、ここへ来られて偶然の出会いでしか知られてないレアものだった。

あることがきっかけで。

昨年の夏ごろに和服関係のなんか凄い方と知り合い、店頭にまだ2、3点あった合切袋を見て、セミオーダー(色違い)でプレゼントに注文したいと作らせていただくことがありました。

インスタグラムに投稿した。するといつもお世話になっているバイヤーさんから連絡があり、とても気に入ってくださりました。

まさか2019年の元旦の初売りと繋がっていくとは・・・。

東日本金属とは

ものづくりの街、墨田の誇る東日本金属さんは1918年(大正7年)鋳物製作をはじめ、時代の変化に対応し、部品作りから組み立てまで一貫して対応できる金属メーカーの道を歩み始める。

何代にも受け継がれた技術ももちろんのコト、加工(旋盤、プレス、板金、メッキなど)・研磨・組み立てまで周りの協力工場の連携、立地条件を生かし技術の制度を上げ高精度、高品質を作り出している。

パーツや製品だけではなく、重要文化財建造物の改修工事の際に鍵や蝶番など、復興事業の取り組みも行っている。

どう作られているか。

僕がお願いした合切袋の金具パーツは真鍮製。昔ながらの手法、砂型鋳造法で作っている。砂で作った型に1000°に溶かした真鍮を流し込む。

この迫力ある製造方法をぜひ、ご覧になっていただきたい!

木の箱に型をセットする。

型をセットし砂を敷き詰め、指先と神経を集中させ、経験と勘で押し固める。

1000℃に溶かした真鍮を取り出して。

砂型に小さな穴が開いているところに正確に流し込む。

 

最も危険な作業で、チームと息があっていないと大変な事になる。緊張する。そしてリズムよくドンドン積み重なっていく。どれがどれだかもう分からない。。。。

小林くんの仕事ぶりに見とれていながらも、まるで昔の映画のセットのよう、ドラゴンへの道でブルースリーがヌンチャクを振り回しているシーンが浮かんできてしまいました。

真っ赤になっています。かなり熱そうだ。冷えるのを待ちます。

しばらく経ってから、砂型を開けてくれた。おぉ~インディジョーンズになった気分。

 

出来立てほやほやの合切袋の金具だ。これから、バリ取りや研磨、穴あけなどの2次加工3次加工と全て手作業と段階を経て出来上がっていく。

旋盤の機械を操る彼女は入社して1年を過ぎている。東日本金属の募集を見て飛び込んだそうだ。僕のFBのシェアを見て。10年前、西東京の、とある飲み屋さんで何度か会ったことがある以来の再会だ。

真鍮金具の魅力

砂型鋳造になぜ惹かれるかというと、ひとつひとつのパーツで見ていても味わいや温もりを感じ、幸せな気持ちになります。

植物タンニン鞣しのこの革で作ったらカッコいいだろうなぁー、この色も合うなーと心の中でニヤニヤしています。

真鍮は銅と亜鉛の合金で黄銅色に輝き、日常の生活で使われて来るとアンティーク色に独特の風合いに経年変化していきます。

金型で安価で大量に生産できメッキで均一に仕上がっているモノには無い魅力があります。ちなみに真鍮はメッキのように剥がれるような事はありません。

植物タンニン鞣し同様、永く愛用できる金属です。HIS-FACTORYの製品は一部を除いてすべて真鍮金具を使用しています。

きっかけの逸品

夏にセミオーダーで作ったこの合切袋がきっかけとなった。いつもお世話になっているバイヤーさんがインスタを見て連絡をくれました。

ナッパネビアのクロで作りました。トンボ玉も仲良くしていただいている墨田区向島の楽卯さんに一点物で作ってもらいました。イメージを伝えて一点物です。クロと白がテーマで金箔の模様が入っています。

藤巻百貨店別注

今回、藤巻百貨店さんでの別注はミネルバボックスではなく、薄いタイプのナッパを使用した。色はオルテンシア。

ミネルバボックスは1.8ミリ前後だが、1,5㎜に漉きなおしていた。ナッパは初めから1.5㎜前後なので、今回はナッパを使用した。

風合いや染料の色は変わらないが、シボがちょっと細かい。それも品があるように感じた。

そして、真鍮の輝きと相性がいい。

ポケットは両サイドにつけ、丸カンも付けた。

デザイン的には、前のポケットを取り、泣く泣くトンボ玉も。上代をお求めやすい価格にするためだ。

決して、大量生産のためコストダウンのため、値切られたわけではない。

※トンボ玉仕様もちょっと上代は上がりますが、継続いたします。

商品名はOttone(オットーネ)と名付けました。イタリアで真鍮の意味があります。

5年の経年変化

これは、唯一自分用として取っておいた、5年前の初期型。

毎年、すみだ錦糸町河内音頭で腰に巻き付けて踊っていても、へこたれません。

そして、真鍮もアンティーク色に、オルテンシアの色もブルーグリーンに艶も上がって育っています。

その間、店頭で何度もこれを売ってほしいとのご要望がありましたけれど、これだけはお譲りしなくて良かった。

藤巻百貨店様へ感謝

見つけてくれたバイヤーさんから取材していただいたHさん、管理していただいているスタッフさんにとても感謝しています。

東日本金属さんにも一緒に取材を同行していただきました。思いが伝わるページも作成していただきてありがとうございます。

たくさんの方々のご協力によって、世に出ることができた合切袋。これからどういう展開をしていくか、とても楽しみです。

 

嬉しいメッセージ

先ほど、しばらくお会いしていなかった蔵前のダンディー0さんから「今日届いたよー、お出かけが楽しみ!」とメッセージをいただきました。突然の事でビックリ。嬉しくてたまりませんでした。ありがとうございまいました。

自分たちで作った作ってもらった喜びとたくさんの人に支えられていることを実感しています。

2019新年のご挨拶

手縫いで作るトートバッグS・アメリカに渡るの巻

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