セミオーダーでお作りした”メッセンジャーバッグ”はユーフラテのオルモとマレンマのチョコのコンビネーションで製作しました。
(※2024年1月〜3月製作)
実はこのデザインは10年前からリリースはしているのですが、ホームページのプロダクトにhfa掲載していなく、店頭に参考サンプル(まだ修正をかけたい所が数箇所あった)が展示してあるだけでした。
今回、目に止めていただいたお客様のリクエストにより、気にかかっていた箇所を修正しながら生まれ変わりました。
ユーフラテ/オルモ
ユーフラテとは、ミネルバボックス、プエブロと同じ、イタリア・トスカーナ州のタンナー・バタラッシ・カルロ社にて作られているイタリア植物タンニンなめし革です。
ドラムの中に水を入れて、繊維をほぐすことで表れる細かいシボが特徴。
乾燥後、銀面をガラス玉で擦り、上品な艶を出しています。
厚みは1.3~1.6㎜と比較的薄く、イタリア植物タンニン鞣しの多脂の中でも軽めな革になります。

背胴、カブセが一体化しているデザインなので大きな型紙になります。

取り都合を考えながら一枚、一枚型紙を当てて裁断していきます。

トラ、血筋、キズは動物(牛)の生きてる証ですので、ある程度は入れますが、このようなひっかけキズのような所は避けます。
メイン素材のユーフラテ、マレンマ/チョコ、裏地/ブルーグレーの裁断全パーツです。
これから立体に縫製していきます。
根革は0番糸縫製
ショルダーの根革は長期使用に耐えられるようマレンマ(元厚2.8㎜)を使用し極太ステッチ0番糸でしっかり縫製します。
完成
メッセンジャーバッグ
◇本体素材:ユーフラテ(イタリア名門タンナー:バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)
♢根革・ベロ:マレンマ(イタリア老舗タンナー:ワルピエ社による植物タンニンなめし牛革)
♢カラー:オルモ&チョコ
♢サイズ:W280×H210×D135
♢重量:950〜1000g
♢裏地:ブルーグレー(綿100)
変更点

変更点①カブセコバ仕上げをヘリ革からコバ磨きにしました。

変更点②カブセ裏は軽量化にするため額縁にして中央は裏地にしました。前身頃にポケットもつけました。

変更点③口元はへり革からヘリ返しにして、中身付けをつけました。

変更点ではなく以前同様箇所、ベロは取り替えができるよう、本体に縫い込まず修理しやすいようにしています。
このデザインのショルダーバッグはサンプルが店頭にしかありませんのでレアな商品ですが、今年はホームページのプロダクトにも掲載したいと予定しています。
セミオーダーは可能ですのでこちらコンタクトからお問い合わせください。
経年変化
2018年にブログにイタリア植物タンニン鞣し革の経年変化について投稿した時のがメッセンジャーバッグでした。
ユーフラテではなくナッパでしたが、同じタンナー、バダラッシーカルロ社による革ですので、経年変化、雨についてもほぼ同様と思います。