規格外の大きなサイズ、斬新な色使いのブリーフ鞄の制作のお手伝いをさせていただきました。
素材選び
サイズ、デザインをヒアリングし即興でデザイン画を描かせていただいたあと、素材はプエブロ、ミネルバボックス、ブッテーロ約10色から、裏地約10色、糸数十色など順番に決めていきます。
たくさんの色違いを組み合わせるセンスがあります。
身頃、マチ、持ち手にはプエブロのペトローリオ、天マチ、外側のマチにはハバナのアケロ(たまたま半分弱在庫あり)前ポケットはハバナのラピス、持ち手補強、底マチにはブッテーロと色も様々ですが、素材も3種組みわさせている。
コバ磨き
持ち手には1.4mmの床を入れ盛り上げ。
コバは面取り後に磨き仕上げ。
先端は、ピッチが合うように菱目うちで下穴をあけておく。
0番糸縫製/アドラー
大きい鞄なので、芯はもちろんのこと、身頃にもブッテーロを補強。
素材が違うのでコントラストも効いてインパクトもある。
前ポケットをつけて、底を繋ぐ。
身頃と底と繋がり一枚に。
大きいです。
そしてマチと裏側を合体して。
コバ磨き
本体とマチの合わせを豆カンナで面取り。
サンドペーパーで鳴らした後。
目止め液をつけ、ヘチマで磨き、さらに乾拭きし艶出し。
まとめ縫製(0番)
最後は、0番糸でまとめ縫製。
完成
ハンドルの長さは、前側のショルダーを長くして欲しいとのリクエスト。
マチが広いので、肩掛けにした時、引っ張られないため。
サイズ:W400 H350 D160
素材
本体・マチ・手紐/プエブロ・ペトローリオ(イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)
天マチ/ハバナ/アケロ 前ポケ/ハバナ/ラピス(イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)
本体/プエブロ(イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)ネイビー
ハンドル/底/ブッテーロ・ブルー(イタリア老舗タンナー、ワルピエ社によるトスカーナ植物タンニンなめし牛革)
裏地:コットン100 ボルドー
仕事柄、容量が多くてなかなか”コレ”っていうのに巡り合わない、妥協してもすぐ壊れてしまう。
どうせなら細かいリクエストもして自分仕様が欲しい。
そして私は強度にも素材にも気を配ります。
一点物であるからこそ、じっくり時間をかけて制作させていただいています。
革素材もイタリアの植物タンニンなめし革、バケッタ製法は多くの油脂が入り乾燥しにくい。
イタリアの染料だからこそ、経年変化の色も美しく、革本来の味が出てきて、永くご愛用していただける革素材です。
細部まで打ち合わせでき、忠実に再現させていただけて、実際に使っていただけるのは作り手冥利につきます。
Tさんありがとうございました。
プエブロ
牛脂を使用したイタリアバケッタ製法で作られた、プエブロは吟面を手作業で擦り、細かな模様を付けています。二つとない独特な表情があり、通常の吟擦りでは味わえない、経年変化がお楽しみいただけます。
タンナー:イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社
色:ペトローリオ
ブッテーロ
厚みは3㎜前後、堅牢でありがなら多くのオイルが含まれる。薄化粧仕上げで傷やトラは見える反面、天然素材な自然な表情と透明感のある色合い。使い込むほど、色濃く変化していく表情、ナチュラル感はイタリアならではの色合いです。
持ち手(ハンドル)はブッテーロを使用。
タンナー:イタリア老舗タンナー、ワルピエ社によるトスカーナ植物タンニンなめし牛革
色:ブルー
ハバナ
イタリア植物タンニン鞣し革の中でも18世紀ごろの伝統的な古典的なレシピを再現して作られています。均一性の価値観より、まず丈夫であり、使い込めば使い込むほど馴染んでいく個性的な経年変化に価値を置いて作られています。
ベース本体の染料にうっすらとクロがのっていながらも牛(COW雌)の生きていた証のトラやキズが美しく表現されています。一枚一枚表情が違いとても個性的です。
タンナー:イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社
色:アケロ・ラピス