トートバッグammmassare(アンマサーレ)の横型Mサイズのネイビーが、藤巻百貨店さまの【藤巻エクスクルーシブモデル】としてリリースさせていただきました。
きっかけは、他社製品の下請けの脱却
このトートバッグの原型はアンマサーレの縦型で約15年前、ここ墨田区吾妻橋の工房に引っ越したころでまだ他社製品の生産管理の業務で追われ、流通業への不信感、不甲斐なさ、危機を感じ脱却を考え始めた頃に発案しました。
他社製品ブランドの下請け、商業デザインでのコストダウンのための生産性、効率がよい作りと真逆で、手間かかって時間がかかる作り方です。
商業デザイン生産していた頃、修理が来ると、革はパサパサに劣化し、持ち手や根革はヨレヨレ、金具はメッキなので下地のニッケルが透けて見えている。
そんな無残な姿を見て残念と疑問を抱きながら”コストを安くしてるんだからしょうがない・・・”的な考えが知らず知らず、自分の頭の中が蔓延していました。
今まで生産に携わってきて”なんだっただろう・・・”卸価格も安いのが当たり前な業界的な感覚にも疑問を持ち始め、このままでは存続もできないと危機も感じていました。
自分ブランドを立ち上げるしかないと思い始めた頃です。
とにかく丈夫で長持ちするものを作りたいと。
革との出会い
イタリアンレザーに出会ったのもこの頃です。
ミネルバボックス 、ブッテーロを初め、”プエブロ”にも感動しました。
最初の発色から、エイジング(経年変化)がすごい、しかも乾燥(パサパサにならない)しない。
革代は高い、しかしそれなりの価値があり、耐久性もある。
プエブロ
牛脂を入れた秘伝のオイルを使用して鞣されているイタリアバケッタ製法。表面の吟面を手作業で擦り、細かな模様を付けています。二つとない独特な表情があり、通常の吟擦りでは味わえない、使うほどに色艶が上がり育ち、経年変化がお楽しみいただけます。
タンナー:イタリア・トスカーナ/バダラッシー・カルロ社
プエブロ の経年変化はこちら
マシンとの出会い
アドラーに出会ったのもこの頃です。
元々デザイン畑でない自分は、他にないものを作るしかないとばかり考えていました。
修理や返品で来るのは大体が持ち手とそのジョイントの根革、生産性をあげるのに、一定の厚みしか縫製できない。
職人さんの持っているミシンは8番糸から5番糸が限界なので、分厚いものは生産できない。
なので、自分で作るしかないと思っていたころ、25才の頃からお世話になっているミシン屋さんに”アドラー”入りましたよって連絡いただきました。
厚物専用のマシン、一般に出回っている薄めの代物は縫えないので、必然的にゴツいデザインが思い浮かぶ。
持ち手
持ち手はブッテーロを使用。
表、裏の貼り合わせだけだなく、中央にも同素材を入れ、上下に床を2枚サンドしている。
コバは3枚(約6㎜)センターは5枚(約10㎜)重ねてある。
ブッテーロ
厚みは3㎜前後、堅牢でありがなら多くのオイルが含まれる。薄化粧仕上げで傷やトラは見える反面、天然素材な自然な表情と透明感のある色合い。使い込むほど、色濃く変化していく表情、ナチュラル感はイタリアならではの色合いです。
※全体の厚みは2㎜前後にベタ漉きしている。
長期に耐えられるような素材だからこそ、永く愛用していただけるように極力厚めに縫製しています。
動画でもご紹介しています。
【藤巻エクスクルーシブモデル】
【藤巻エクスクルーシブモデル】ネイビーの完成です。
本体:プエブロ(イタリアの名門タンナー、バダラッシー・カルロ社による植物タンニンなめし牛革)
ハンドル、取り付け金具部分の補強革:ブッテーロ(イタリア老舗タンナー、ワルピエ社によるトスカーナ植物タンニンなめし牛革)
内装:コットン
金具:真鍮ファスナー/YKKエクセラ
サイズ:上部W440/下部360mm×H280 mm×D120mm、ハンドル立ち上がり240 mm
重量:1300g
生産国:日本
経年変化
こちら、2018年撮影(使用期間約3年)
プエブロ/ネイビーの経年変化です。
色には深みが増し、色艶が上がりアンティークに育っていきます。
他の経年変化はこちら
バイヤーさんとの出会い
私の尊敬する蔵前のエムピウの村上氏とコラボしたガリアルド がきっかけで、バイヤーさんと出会えました。
明るく気さくなバイヤーさんは、日本のものづくりを元気にしてくれます。
また、ライターさんは的を得たページを書き上げていただきまして、作り手冥利につきます。
大量生産にはない、永く愛用していただけるものづくりを続ける勇気と自信にも繋がります。
堅牢と味わいの極致へ―『藤巻エクスクルーシブトート』見参!
すごいキャッチコピー、鳥肌が立ってしまいました。
ぜひ、ページをご覧ください。
藤巻百貨店さまは、日本のいいモノを選び抜いたセレクトショップです。
ジャンルを問わず全国のよりすぐった日本のものづくりをご紹介しています。