ある日、上品で素敵なシニア女性のご相談でバンドネオンの持ち手を作ってもらえないかとのご依頼。
とにかく拝見してみないととのことで、翌週旦那様と車で運んで来られました。
これがバンドネオン。アコーディオンによく似てるが、、、年代を感じるなんか存在感のありなんかかっこいい楽器だ。
悪魔の作った楽器とは
アルゼンチンタンゴに欠かせない楽器バンドネオン。形はアコーディオンとなんとなく似てるのだけど、鍵盤でなくボタン。この配列が不規則で習得するのがとても難しいので”悪魔の考えたという楽器”と云われたとか。白い革が切れていました。2.8ミリ位あったが革の繊維が乾燥していました。ビニールがかかっていて使った形跡はなかった。
これは私が直した持ち手。マレンマを二枚貼り合わせし8番糸で縫製した。バックルは真鍮製のクロ剥きメッキの在庫があったのでよかった。もちろん両方とも作り直した。
比べてみました。上が持ち込んだ状態。下が直した状態。
バンドネオンのことはよくわからないが、美しいフォルムだ。
旦那様も気に入っていただけて良かったです。ご無理を言って、ちょっと弾いてもらいました。一瞬、神保町のミロンガにいるようでした。アンティークで素敵な音色でした。良いご趣味を持ってらしていいですね、これからも楽しんでください。
こんなアンティークな楽器の修理に関われてワクワクしちょっぴりドキドキしましたが、楽しく作り手冥利につきます。
ありがとうございまいました。